受験勉強のやり方は?高校生のための科目別おすすめテクニック

気がつくと2年後もしくは1年後に大学受験が控えていて、不安を感じてしまう高校2年生、3年生はたくさんいます。勉強が得意ではない人にとって、「そもそも、いつからどのように受験勉強すればいいのか分からない…」と悩むことも少なくありません。
そこで、受験勉強のやり方のベースとなる、科目別のおすすめテクニックについてご紹介します。




高校生のための受験勉強のコツ

高校生のための受験勉強のコツ

大学受験のための勉強法にはコツがあり、漠然と勉強してはいけません。しかし、「いつもテストの点が悪く、勉強法が分からない…」「自己流の勉強法では不安…」などと感じている場合、自分に合っていない勉強法をしている恐れがあります。
受験勉強に共通する勉強のコツをご紹介します。

受験勉強の暗記のコツ

「勉強は暗記ではだめ!理解しなければならない」と言われたことはありませんか?しかし、英単語や歴史、基礎用語などは、まず暗記する以外に方法はありません。
知識を記憶として脳に定着させるためには、記憶のメカニズムを把握する必要があります。「覚える」「定着させる」「アウトプットする」の3つが重要です。 暗記をするためには、まず繰り返すことが重要なポイント。しっかりと覚えた上で、クイズ形式などでアウトプットすることで、一時的なものではなく恒久的なものとして記憶させることができます。
覚える際には、語呂合わせやゲーム形式、興味のあるマンガやドラマなどに結び付けるなど五感を使って覚えると比較的早く定着させやすいといわれています。

勉強時間を効率的にするコツ

「勉強時間をとっているのに、なかなか学力が上がらない…」という場合は、時間をムダに使ってしまっているかもしれません。学生が勉強できる時間には限りがあるため、有効的な時間の使い方を考える必要があるでしょう。そこで、自分の勉強法を振り返ってムダな時間を省くようにしていきましょう。例えば、長時間勉強していたとしても、しっかり頭に入っていなければ、意味のない作業になります。

ムダに60分だらだらと勉強するのであれば、隙間時間を見つけて15分学習する時間を4回作ったほうが学習の質を高めて効率良く勉強できます。また、夜中に勉強するのは脳の効率を考えるとあまり良くありません。
それならば、早めに就寝し、翌日早起きして勉強するほうがおすすめです。脳が活発になりますので効率の良い勉強が期待できます。休日などでも、朝にしっかり勉強して昼からリフレッシュしたほうが効率良く勉強ができるでしょう。

勉強の復習効果を高めるコツ

「なかなか覚えられない」と悩んでいる場合は、「しっかり復習する時間をとっているのか」を再確認しましょう。脳というのは、勉強以外においても毎日膨大な情報を処理しています。そのため、勉強をやりっぱなしにしてしまうと、すぐに忘れてしまうのです。学習したことを忘れてしまわないためにも、定期的に復習をして繰り返し脳に記憶させる必要があります。
例えば、参考書などを購入して一度やりきったらそのままになっていませんか?複数の参考書を渡り歩くよりも、一つの参考書を繰り返し復習していくほうが効率良く知識を蓄えていくことができるのです。暗記に限らず、繰り返して復習することを心がけるようにしましょう。

夏休みの勉強法と計画を立てるコツ

夏休みは、まとまった勉強時間を確保することができるので、基礎を固めたり、苦手な科目を克服したりする絶好の機会です。何も考えずに過ごして気がついたら夏休みが終わっていた、ということがないように夏休み直前にしっかりと計画を立てましょう。
計画を立てる際には、みっちりと計画を立てるのではなく、隙間時間や午前中の時間を活用しながら効率良く計画する必要があります。勉強する範囲は、全体的に手広くやることも大事ですが、苦手科目を基礎から復習する勉強法もおすすめです。夏休みは、学校の授業がないため、ついつい遊んでしまいがちですが、しっかりと自分を律して生活リズムを崩さないようにコントロールすることが重要といえます。

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高校生のための科目別の勉強法のポイント

高校生のための科目別の勉強法のポイント

大学受験は、高校3年間でどのように勉強してこられたかどうかで結果が変わってきます。
「高校1年生や高校2年生のうちから対策しておくべきこと」「受験を目前に控えた高校3年生で対策しておくべきこと」など、それぞれの学習ポイントをしっかり把握しておきましょう。科目ごとに、どのような勉強法が向いているのか特徴があります。次にそのポイントをご紹介します。

数学の受験勉強法

数学の受験勉強法

数学は丸暗記だけでは身につかない科目です。公式や基本単元を覚える「計算」、問題の解き方・思考力を訓練する「思考力」を身につける勉強をしましょう。

基礎の公式や単元が整理された問題集で勉強する

数学の問題を解くためには、解法を理解した上で計算の方針を検討して、正しく計算することが必要です。ただ、解法というのは非常に多く、そのすべてを覚えきるのは難しいでしょう。公式を押さえておくことをおすすめします。基礎的な勉強するためには、単元ごとに基礎の公式が整理された問題集での勉強法が効率的です。
問題集を選ぶ際には、難易度ごとに分けられていることが多いため、自分自身の数学の知識量に合わせて購入すると良いでしょう。しかし、あまり簡単すぎるものを選んでしまっては意味がありません。ネットで購入するのではなく、購入前に中身を確認して自分が解くことができそうなレベルの問題集を選ぶようにするのがおすすめです。

公式・解法は問題を解きながら覚える

数学の公式や解法の勉強をする際にやってしまいがちな失敗としては、暗記だけで済ませてしまおうということです。公式や解法というのは、それだけでは、なぜそのような計算式になるのか理解しにくいため記憶として定着させにくい科目です。あいまいな記憶では、さまざまな問題が出題される受験に立ち向かうことはできないでしょう。
勉強をする際には、実際に問題を解きながら公式や解法を覚える必要があります。最初は、簡単な問題や例題を解いてみてみましょう。実際に問題を解くことで、公式や定理、解法などの細かなところまで意識しながら勉強することができます。その後、問題集の数をこなしていくことで、どのようなときに使うべき公式なのかなどを理解することができるようになるでしょう。

英語の受験勉強法

英語の受験勉強法

英語の勉強は大きく分けて、英単語・熟語、英文法、英文解釈、英長文、リスニングに分類されます。学力レベルを上げるには、まず単語や熟語を知らないと長文もリスニングもできません。それぞれのポイントを紹介します。

英単語・熟語、文法で英語のルールを覚える

英語の受験勉強法としては、配点の大きな長文読解が重要だと、そこばかり勉強してしまいがちです。しかし、少し待ってください。長文問題にとりかかる前に、しっかりと英単語や熟語、文法などのルールを覚えているでしょうか?日本語に置き換えてみるとよく分かりますが、自分が知らない言葉だらけの長文を読んだところで内容を理解することはできません。
長文対策は確かに重要ですが、まずは英単語、熟語、文法の順番でステップアップしていきましょう。これらの勉強法は、とにかくシンプルで、まずは暗記です。単語帳を利用して「インプット→定着→アウトプット」を繰り返して、記憶として刷り込んでいくことが英語受験では必要不可欠です。

英文解釈→長文訳とステップアップする

英単語や熟語、英文法の勉強が固まってくると、さまざまな英語問題に対応できるようになります。まずは英文解釈問題を解いて、シンプルな文法の勉強だけでは理解できないような英文を読めるようにしましょう。英語の文章を理解することができて初めて長文読解に進むことができます。勉強のポイントは、できる限り早く読むことです。
長文読解は、読むだけでも時間がかかってしまいます。回答を解く時間を残すためにも、速読して、ある程度理解できるくらいまで長文の勉強を進めていくのがおすすめです。長文読解がこなせるようになったら、志望校の試験形態に合わせて英作文や和訳、リスニングの勉強に移るようにしましょう。

社会(世界史・日本史・地理公民)の受験勉強法

社会(世界史・日本史・地理公民)の受験勉強法

志望校に合わせた受験科目の選択で、日本史、世界史、地理、公民などが選択できますが、基本的には暗記科目です。それぞれに特徴があるため、ポイントを押さえて勉強するといいでしょう。社会における主な科目のポイントをご紹介します。

世界史は、通史理解・単語暗記・問題演習の流れがポイント

世界史に関する勉強は、やみくもに問題を解いているだけでは成績を向上させることはできません。問題にとりかかる前段階として、基本的な通史理解を深めておくことが大切です。ひと通り世界史の内容の全体像が理解できたら、世界史に関する単語暗記をしていきましょう。英単語などと違って、実際の出来事とあわせて覚えることができるため、通史理解が深まっていれば、比較的簡単に覚えることができます。
ここまで基礎を整えることができれば、その後は実際に問題を解いてみて「どのような形で問題が出されるのか」「傾向的にどの範囲が出やすいのか」などを把握することができるでしょう。実際に繰り返して問題を解き、記憶を定着させることが重要です。

日本史は、狭くて深い科目。時代ごとの事柄の関連を押さえる

世界史同様に通史理解を深めた上で、単語を覚えて問題演習を進めていくことが重要です。世界史は広くて浅い学習内容になりますが、日本史は地域が日本のみに限定されるため狭いながらも内容が深い科目となっています。適当に教科書を読んでいても覚えにくいという苦手意識を感じる人もいることでしょう。
勉強のコツは、時代ごとの事柄の関連を楽しく覚えることです。日本史について十分な知識がないと思うのであれば、基礎的な部分を楽しめる歴史漫画から始めても良いでしょう。単語だけを覚えるのではなく、「その時代に何が起こったのか」「どうして歴史が動いてしまったのか」を押さえながら問題を解いていくと、歴史の流れを効率的に覚えることができます。

地理は思考が問われる科目。地図帳や最新版データ集を活用する

地理は、世界史や日本史と違って、暗記だけではなくその場で考える思考する力が求められる科目です。そのため、丸暗記だけでは対応できません。世界史や日本史と比べて好き嫌いが別れる科目ではありますが、しっかりと勉強を取り組んでいけば確実に成績を上げられることができるのも大きな特徴です。
ただ、思考力が大事である一方で最低限の知識は必要です。ある程度、基本知識を暗記した上で問題集を解いていき、地理的思考を養っていきましょう。また、地理の勉強の際にはデータ集や地図帳は必要不可欠です。特にデータ集は毎年データが変わるので最新版を使うようにしましょう。古いデータ集を使ってしまうとグラフや情報が古くなってしまっていることがあります。

国語の受験勉強法

国語の受験勉強法

国語には、古文、漢文、現代文があります。センター試験など一般的には現代文、古文、漢文の順番に配点が高くなります。普段から使っている言語やなじみのある分野のため、「なんとなく」勉強することが多くなってしまいがちです。そのため、受験勉強ならではのテクニックを身につけて勉強する必要があります。

単語やキーワードの暗記で基礎を固める

現代文、古文、そして漢文に共通するコツとしては、単語やキーワードなどをしっかり暗記して基礎的な語彙力を身につけることです。つい何となく読み飛ばしてしまいがちですが、しっかりと内容を把握するためには単語やキーワードの意味を把握している必要があります。実際に参考書などで文章を読んでみて、分からない単語やキーワードは線を引きながら調べるようにしましょう。
古文の場合は、単語はもちろんですが敬語を覚えるようにすると全体が把握しやすくなります。漢文は、現代で使われている漢字の意味に引っ張られやすいですが、当て字のように使われることがあるため、漢文としての単語の意味を把握しておく必要があるでしょう。

基礎固めをしていないと、読解力は身につかない

どの分野でも基礎を固めておかないと読解力を身につけることができません。現代文においては漢字やキーワードを理解していないと、何の話をしているのか分からなくなってしまいます。古文の敬語や漢文の漢字も同様です。基礎固めがしっかりできれば、読解力を身につけやすくなります。
勘違いされやすい点として受験勉強で言う「読解」とは「全部を理解する」ということではありません。全訳が必要な問題もありますが、それは一部です。ほとんどの場合は、あらすじを押さえることができれば問題を解くことができます。特に古文や漢文については「全部を理解するのではなく、問題を解くために読む」ことを意識しましょう。その意識でざっと全文に目を通した後、問題の部分を再度読み込むことで解答が見えてくる傾向にあります。

理科(化学・生物・物理)の受験勉強法

理科(化学・生物・物理)の受験勉強法

理科は分野によって勉強法が異なる科目です。公式や計算など数学を用いて解答する問題が多い物理と化学、生物はほぼ10割が暗記科目で、実験や図、データを理解することが求められます。それぞれの特徴を押さえた勉強法で勉強しましょう。

化学は、知識や理論を問題集で繰り返し覚える

化学は、知識や理論など覚えるものが非常に多いです。特に無機分野、有機分野は暗記項目が非常に多いので、効率良く覚えていく必要があるでしょう。ただし、理論については暗記だけで対応するのは難しいです。問題集を反復して取り組み、内容を覚えておくようにしましょう。
もちろん理想としては「理論の理解」が必要です。単元によっては書いていることを読んでも意味が分からないこともあるでしょう。もし文章だけで理解できない場合は、図表を作成してみると意外にスッと頭の中に入ってくることがあります。イメージが重要な教科ですので、化学の理解が深い先生などに分かるまで教えてもらうのも一つの方法です。

物理は、物理の原理原則を理解して公式を使って問題を解く

物理は、好き嫌いが大きく分かれる科目です。公式などを暗記したものの、どのタイミングで使えばいいのか分からないと感じる人も多いかもしれません。しかし、数学などと比べると公式の数は格段に少ないです。使いどころさえ間違えなければ、比較的、得点を重ねることができる科目でもあります。
基本的には公式を使って問題集を解いていく勉強法が最適なのですが、その際には図を描いて考えるようにしましょう。図式化することで、文字だけでは見えてこないものが表れてきます。そして、どのように公式を当てはめて答えを導き出せるのかを理解することができれば、変則的な問題が出された場合にも対応することができるようになります。

生物は、効率良く暗記&現象を理解する。イラストや写真も活用

生物は、ほぼ暗記により対応することができます。しかし、暗記で覚えたものがそのまま出題されるのではなく、未知の実験などに対して考察させるような問題が多い傾向です。「それなら、暗記など必要ないのでは?」と考えてしまいがちですが、根底には基本が押さえられていないと解答を導き出すことができません。
効率良く暗記をするためには、実際に覚える用語を手で書いてみることが有効です。各部の名称などを書きながら覚えることで理解力が高まります。ホルモンなどの図式化できないものは、どうしても暗記が必要なので語呂合わせなどイメージしやすい工夫をして覚えるのがおすすめです。
また、資料集や図表に掲載されている写真などは暗記に役立ち、実際に試験に出ることも少なくありません。問題につまずいたら参考書や資料集を見て確認しましょう。

高校生のための大学受験の勉強スケジュール

高校生のための大学受験の勉強スケジュール

大学受験は高校生活3年間をいかに過ごすのかで結果が違ってきます。大学受験を意識したスケジュールを立てて受験に臨みましょう。「高校1年生、高校2年生のうちに対策しておくべきこと」「受験を控えた高校3年生でやるべきこと」など、それぞれの学習ポイントを事前に把握しておきましょう。

高校1年生の勉強スケジュール

3年後の大学受験のことを視野に入れておくならば、高校1年生の段階で大学受験を意識して勉強に取り組む必要があります。中学までの勉強と違って、高校の授業の進行スピードは速く内容も濃くなっています。一度ついていけなくなってしまうと、その後の学業に影響を与えますので、できるだけ早めに自分に合った勉強法を確立しましょう。
勉強をする習慣を身につけることも重要です。1年生のうちは主に「基礎を固めること」「授業の内容の復習をしっかりと行うこと」の2つがポイントになります。また、大学受験では文系・理系の選択をしなければなりません。「自分がどのような分野に進学したいのか」について情報収集をして、少しでも有利になるように勉強を進めていきましょう。勉強スケジュールは、基本である予習、授業、復習を行えるように組み立てることをおすすめします。

高校2年生の勉強スケジュール

高校2年生は、学校生活にも慣れて中だるみしてやる気がなくなりやすい時期です。しかし、受験としてはとても重要な時期となります。入試に出てくるような重要なポイントを学ぶ時期であるだけでなく、文理選択や進路希望調査、そして実際に志望校について意識し出す時期となるでしょう。
勉強のスケジュールを組む場合は、原則として1年生からの継続で基礎を固めることに集中することが重要です。また、この時期になってくると自分が苦手とする教科が明確になってきます。苦手教科を試験に対応できるレベルに引き上げるために、重点的にスケジュールに組み込んでいくと良いでしょう。また、文理コースや志望校が固まったら志望校の難易度に合わせた勉強をしていくことが必要です。

高校3年生の勉強スケジュール

大学受験まで残り1年を切るラストスパートの高校3年生です。最も重要なのは、志望校に合わせた難易度で効率良く勉強すること。目安として、高校3年生の前半では「基礎固めがしっかりできているか」の確認に費やします。そして、夏休みからは入試科目に合わせた勉強や、科目ごとの得意不得意に特化した勉強スケジュールを組み立てていきましょう。
特に夏休みはしっかりと時間をとって勉強できる最後のタイミングです。ムダのないように計画を立てる必要があります。また、推薦入試やAO入試、センター試験など、受験する試験の日程に合わせたスケジュール調整も必要です。

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いい勉強法を身につけて合格を目指そう!

どの科目でも、勉強する方法は1つではなく複数あります。受験勉強のやり方が分からなかったり、勉強していても身につかなかったりすると感じる場合は、その勉強法が合っていない恐れがあり、非効率な勉強法となっているかもしれません。自分の勉強法の見直しをして、受験勉強に合ったいい勉強法を身につける必要があるでしょう。
今回は、科目ごとに効率の良い勉強法や学ぶ順序などについてご紹介しました。どれも基礎を固めた上でステップアップするようになっているため、着実に学力を身につけていくことができます。いい勉強法を習慣にして、志望校に合格できるようにがんばりましょう。

※現行のセンター試験は2019年度(2020年1月)の実施をもって廃止され、2020年度(2021年1月)から新方式「大学入試共通テスト」へ移行する予定です。

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