過去問の使い方
お盆が終われば、夏休みも終盤にさしかかり、受験生にとっては、何となく、まだ先と思っていた受験に現実味が帯びてくる時期ともなる。
そして、志望校が本当に受験校となるのか否かの見極めをしなければならなくなる。
ここで、志望校の過去問の使い方が出てくる。
高校受験であっても大学受験であっても、多くの受験生が過去問の効果的な使い方を誤っている。
それは、過去問はもっと本格的な勉強をしてから臨むもの、と思われているが、実は、昨年の入試問題は今が解く時期である。(直前にも使用するが)
「殆ど未習事項で全くできなかった」「ただ、自信がなくなるだけ」そんな風に思う人が大半だろう。
ところが、ここに大きなポイントがある。
そこにチューター(エイドネットのオンライン家庭教師)の出番があるのだ。
チューターが受講生の解いた過去問を解説していくが、単に解法の説明で終わってはならない。
まずは、定期考査と大きく異なる考えで解説しなければならない。目標は100点ではなく、合格最低点をクリアすることだ。よって、例えば、調べてみて、70%であれば、捨てても良い問題、できなくても良い問題があることを話してあげてほしい。
次に、その70%に到達するまでの、受講生との差は見極めてあげてほしいが、たとえ、今、50%の出来でその差は大きいと感じても、この問題とこの問題はこれから1か月もあれば、十二分に理解し、定着できる内容だから、気にしなくて良いと判断できるか否かも真剣に考えてあげてほしい。
受験生本人にそのジャッジができる人は少ないので、責任は重大である。
そして、場合によっては志望校の変更もアドバイスしてあげる必要も出てくるだろう。
但し、受験は1教科であるところは稀有であろうし、高校入試であれば内申点の加味もあるので、そこは教育コーチも含めての判断とするが、その指導教科だけの判断は可能なはずだ。
要するに過去問は最終目標までの到達しなければならない受験生の現実との差を明確にできる材料となるわけである。
この差を埋めることが困難であってもやり抜くと決まれば、今後のmust(しなければならない)が明確になり、to do(するべきこと)も明確となる。
更にチューターの大きな役目がある。
昨年の問題というのは、実は同じ問題は出題されないという当たり前の事実はあるが、傾向を掴むには最適の材料である。
しかし、そこに到達していない受験生であれば、過去3年分解いても、その傾向を掴むことは難しい。
だから、過去問を解説しながら、毎年、この分野の問題は出ているので、今後、勉強していく中で重点的にやろうね、などと話してあげてほしい。
夏休みを過ぎると、どの受験生にも効果的な魔法の言葉がある。
「ここは、試験に出やすいところだ」
必ず、真剣な反応が見られる。効果的に且つ根拠をもって使用してほしい。