子どもが不登校になってしまったら?(10)見守りと放任と無関心

ご自身のお子様や知人のお子様が「最近、学校に行くのを嫌がる・・・」「なんとなく心配」という状況になってしまった場合に、保護者となるご両親はきっと「どうしたらいいのか?」と悩まれると思います。

このコラムでは、少しでも皆さんの心配が和らぐことを期待して連載していきますのでご自身やお子様の状況に合う内容だけをうまくピックアップして活用していただければと思います。

少しでも、お子様だけでなく保護者となる皆様も気が楽になればと考えています。

もし、今この記事を読んでいるのが「学校に行きたくない」と思っているご本人だった場合には気楽に、「こんな時代なんだな」「こんな方法があるんだな」と知ってもらえればと思います。悩んでいるのは、実は君だけではなく全国に大勢います。そして、その大勢の為に社会は手を差し伸べれればと考えています。誰でもいいです。誰かあなたが信頼できる人に思いを伝えてください。

放任と無関心

不登校の子どもを抱えている保護者の中に学校の先生が言われることの一つとして
「うちは基本、本人に任せていますから」という言葉があります。

さて、この言葉は放任主義という言葉が存在するぐらい一般的になっていると思います。
定義としては
〇干渉せずに成り行きに任せる方針
というのが近いかと思います。

しかし、この言葉と先ほど保護者の放った言葉は本当に一緒なのでしょうか?

放任主義とは、干渉せず本人に任せますが「見ない」とは言っていません。
つまり、「見守り」はしている状態なのです。

では、「うちは基本、本人に任せていますから」と言い放つ保護者の状況はどういったことなのでしょうか。
これは、多くの場合「無関心」になってしまっている状態だと捉えることができます。

この放任と無関心は全く別物です。
無関心は既に関心を寄せていません。あってもなくても同じという状況になっています。
これでは、コミュニケーションが成立しません。

家庭内での過干渉と無関心

とても乱暴な事例のように聞こえるかもしれませんが、不登校児のご家庭に関わっていると残念なことに

〇父親の無関心
〇母親の過干渉

が同時に互いに関係しあいながら子どもに向かっていることが多いです。


1 父親の無関心

最近では共働き世帯が多くなり、少し前のように父親が外で働いて母親が自宅で子育てという生活は少なくなりました。
しかし、その状況に比例して父親も子育てに積極的に関わっているのか?というとなかなか同じペースで変化している状況ではありません。

そんな中で良く(母親から)相談されるのが

・夫が協力的ではない
・子どもの状況を楽観視していて「そのうち気が付く」といって関わらない
・そもそも、不登校の状況をどれくらい把握しているか・・・
・学校の先生と話をするのも絶対に一緒に来ない

といった内容です。

この記事を読んで、「うちも!」と思われる方は多いのかもしれません。この状況は少なくとも見守りというよりは「無関心」に近いと言わざるを得ません。

では、このような時に父親(だけとは限りませんが)に母親としてどのように接するのがいいのでしょうか?

〇父親に直接子どもと接することを急激に求めない

今までからコミュニケーションをしっかりと取ってこなかった父親は子どもとの接し方そのものがわかりません。
まして、問題を抱え始めた子どもとの関係には負担がかかるのは母親もですが父親も同じです。
ここは、まずは見守りの状態まで持ってこれるように本人とではなく、母親から父親へ「報連相」を欠かさないようにしていきましょう。


2 母親の過干渉

卵と鶏の話のようになってしまいますが、父親が無関心だと母親の過干渉が一層すすむ可能性があります。

これらは、母性といわれる「守らないと」という気持ちが全面に出ていることから二人で行うべきことが一人で背負い込むからということは想像しやすい状況です。

では、母親の過干渉に関してはどのように家族は関わっていくべきでしょうか?

〇母親は心配だから関わるので、心配ごとを除いていく

母親に関わらず、保護者の皆さまは当然お子様の状況を不登校等に関わらず心配されていると思います。
その心配が大きくなれば、前に転がる大きな石どころか踏んでも問題がない小石までもが危険に見えてくるものです。

まずは、ご家族でその心配が何かをしっかりと見つける必要があります。
このコラムもそうですが、現在ではインターネットで簡単に情報が集まるようになりました。

取りに行けば行った分だけ増えていきます。
ところが、どれが正しくて間違いか?ではなくどれが自分達に必要で、どれが必要でないか?の選択がなかなか出来ていません。

これでは選択ができなくて当然です。

何が必要で不必要か、これを整理していけば心配ごとは必ず減ります。
そして、こういった情報収集はこのようなパターンのご家庭では確実に父親の方が得意です。

父親と母親にはそれぞれの得意と不得意が分かれていることが多いです。
互いにまずは冷静に補い合い、その環境が出来てから子どもと一緒に関わることを意識してください。

まとめ

今回は、無関心について少し掘り下げています。
興味・関心は普段どれだけ関わっているのかということが重要になってきます。特に不登校になってしまったお子様との関わりには通常以上に密な関係が必要になります。

ところが、それまでの関わりがちゃんと構築されていなかった場合には当然、急に密な関わりに切り替えることができません。
そこには、愛情がないわけではありません。接し方がわからないだけなのです。

「自分だけで」「家族だけで」苦しむ問題ではありません。多くの機関があなたに手を差し伸べていますのでその手を取る勇気を持っていただければ幸いです。

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