偏差値80の大学とは!偏差値80の割合に入るための条件も解説!
偏差値80とは、どのくらいでしょうか?
具体的に上位どのくらいの割合の人が含まれるのかはっきりわからないと志望校選びにも迷ってしまいます。
偏差値は、さまざまな条件により変動する相対的な値です。
ここでは、偏差値80に関する基礎知識や偏差値80の大学・学部、偏差値80~80以上を目指す勉強法について解説します。
偏差値80を取る人の割合
一般的にテストの得点は正規分布になると考えられています。
正規分布とは、ある集団の平均値を山の頂点とした左右対称の曲線です。
テストごとに一人ひとりの得点がばらつくため、厳密にいうと必ず正規曲線になるとは限りません。
しかし、正確に偏差値を求める場合には、統計的な考え方から、平均点に近い点数の人数が多く、平均点より低い、または高い人数が少なくなる「正規分布」であるとみなして計算を行います。
偏差値の考えに基づくと、偏差値80とは上位0.1%、つまり1000人に1人とごく小数であり、非常に成績のレベルが高い状況です。
偏差値80を取る条件
偏差値80を取れる人数は、ごくわずかではありますが、まったく不可能というわけではありません。
実際に、偏差値80の大学もあることから、ある条件をクリアすれば不可能な数字ではありません。
詳しくご紹介します。
偏差値の考え方
偏差値とは、ある集団のなかで自分の得点が平均点からどのくらい離れているかを示す指標です。
平均点は、偏差値50と定めるため、統計的には偏差値50を取る人が最も多くなる傾向があります。
また、平均に対して得点が高ければ偏差値55、60と相対的に数字が上がっていき、自分の得点が平均を下回っていれば偏差値45、40などと値が小さくなっていきます。
偏差値は、あくまでもある同じテストを受けた集団という条件で平均値から相対的に求めている値なので、同じ人でもどのテストを受けたかにより偏差値は変動します。
例えば、自分のテストの得点が80点だとします。
校内テストなど成績にばらつきが大きくなるテストの場合には自分の偏差値は高くなりますが、志望校別の模擬試験など、ある程度同じ学力のメンバーが集まって受ける試験の場合は、得点が同じ80点でも偏差値が低くなる傾向です。
このように、受験者層の学力レベルがもともと高く、平均点が高くなる傾向のあるテストでは、偏差値80を取るのがより難しくなるのです。
偏差値80を取るために必要な条件
ここでは偏差値80を取るために必要な条件紹介します。
偏差値80とは1000人のうちの1人に選ばれなければなりません。
そのために、まずは自分が高得点を取る必要があります。
また、偏差値を計算する際は自分の得点と平均点との差を、「ほかの受験者の得点がどのくらいばらついているのか」という値(標準偏差)で割って求めます。
もし自分以外のライバルが多数平均よりも高得点を取ると、それに従い標準偏差が大きくなってしまうので、自分の偏差値が想定的に下がってしまいます。
また、自分の得点と平均点との差が大きいことも重要です。
平均よりも高得点を取っていれば、偏差値を計算する際の分子が大きくなり、より偏差値が高くなります。
つまり、偏差値80を取るためには、単に得点が高いということだけでなく、同じテストを受けたライバルの得点が全体的に低いという条件が必要なのです。
偏差値80以上の大学と学部
偏差値80とは、非常に厳しい条件ではありますが、偏差値80の大学もあります。
ここでは、国公立・私立別に、偏差値80以上の大学・学部について紹介します。
国公立大学
国公立で偏差値80以上の大学・学部は以下のとおりです。
偏差値80となる国公立大学は、東京大学の文科一類のみです。
文科一類には、法学部、教養学部がありますが、文科一類全体として募集が行われます。入学から1年半は共通で学び、2年生の後期に3年以降で分かれるコースごとの学習を開始します。
法学部では、第1類(私法コース)、第2類(公法コース)、第3類(政治コース)に分かれ、教養学部では超域文化科学、地域文化研究学、総合社会科学などが学べます。
なお、卒業後は国家公務員や金融、保険業、法科大学院を経て弁護士などへの就職者が多い傾向です。理科系の国公立大学で偏差値80となる大学はありません。
私立大学
私立大学で偏差値80以上の大学・学部は以下のとおりです。
慶応大学の法学部では、政治や法律など専門分野が選べる以外に、外国語科目、人文科学科目、自然科学科目など多くの副専攻の履修ができます。
経済学部では、数学受験(A方式入試)の場合、履修タイプAとして演繹的手法学び、地理・歴史受験(B方式入試)、PEARL入試の場合は帰納的手法を中心に学びながら、経済学的思考を養います。
早稲田大学は、一般入試、センター試験利用入試、新思考入試など多様な入試制度があることで知られています。
「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」という理念のもと学びが深められます。
なお、理科系の私立大学で偏差値80となる大学はありません。
偏差値76~79の大学と学部
続いて、国公立・私立大学の文系・理系別に、偏差値76~79の大学と学部について紹介します。
今回のデータでは偏差値80以下となっていますが、確実に合格するには偏差値80程度が必要になってくる進路といえるでしょう。
国公立大学(文系)
国公立文系で偏差値76~79の大学・学部は以下の4つです。
東京大学の文科二類は経済学部、教養学部で経済中心に社会を科学的に学び、経済にかかわる人文科学、自然科学などの理解を深めるなど広い範囲が学べます。
東京大学の文科三類は、文学部、教育学部、教養学部で、言語、思想、歴史など人文科学全般や、社会科学と自然科学が学べます。人文科学を中心に「人間が文化や社会とどうかかわっていたか」などについて広く見識が養えます。
京都大学は、「自由の学風」ともいわれ自学自習が重視されています。法学部では、学生の関心や自主性に合わせてカリキュラムが選択可能です。演習は少人数制で、充実した学習が行えます。
文学部や経済学部、教育学部、総合人間学部についても自主性を重んじる点は同様で、全学共通科目と指定されている科目はいつでも学べます。
国公立大学(理系)
国公立理系で偏差値76~79以上の大学・学部は以下の3つです。
東京大学の理科一類は、工学部、理学部、薬学部、農学部、医学部、教養学部で、数学、物理学、化学が学習の中心です。また、理科二類は農学部、薬学部、理学部、工学部、医学部、教養学部で生物学、化学、物理学を中心に学びます。
どちらの類も科学や技術と社会のかかわりなどが学べることが特徴です。さらに、理科三類は医学部です。
医師を目指す人は、最難関である理科三類で生物学、化学、物理学を中心に人間の生命や社会とのかかわりなどが学べます。
京都大学の医学部医学科は、1学年から研究室で実際に研究の手法を学ぶ「ラボ・ローテーション」があるのが特徴です。
東京医科歯科大学の医学部医学科は、動物材料や臨床材料により最先端の基礎研究などを学べるほか、附属病院や関連病院などで診療参加型臨床実習が受けられます。
大阪大学の医学部医学科は、最先端の知識や技術が学べる環境が整っています。複雑化・高度化している医療現場をチームで確実に対応できる医師になるために必要な知識が学べます。
私立大学(文系)
私立文系で偏差値76~79以上の大学・学部は以下の4つです。
早慶上智といわれ、私立大学でも偏差値が高い大学が並びます。
ちなみに、このレベルを英検に置き換えたとすると英検準1級より若干低いくらいになっており、早慶は英検準一級レベルの大学として紹介されています。
慶應義塾大学では、創立者 福澤諭吉の「実学(サイエンス)」の精神に基づき、それぞれの学部で学生自らの自由な発想のもとで特色ある教育や研究を行っています。
早稲田大学では多様な学問・文化・言語・価値観の交流を育み、地球社会に主体的に貢献できる人材を育成するというポリシーのもと教育目標や方針が定められています。
また、早稲田文学部文化構想学部は英検準一級を持っていると、一般入試から英語の試験が免除されます。入試よりも事前にチャレンジできるので、早稲田文学部文化構想学部を目標にしている方は英検対策をするのもおすすめです。
上智大学の法学部は、法律学科、国際関係法学科、地球環境法学科があります。学生に対する教員の割合が比較的高いため、少人数制で学ぶことも可能です。
私立大学(理系)
私立理系で偏差値76~79以上の大学・学部は以下のとおりです。
慶応義塾大学の医学部は、医学部の最難関です。
1学年では、基礎学問を学びながら、夏休みを利用してEEP(Early Exposure Program)という介護者見習いとして老人医療施設などで現場を体験する実習を行っています。
医学や医療を学ぶ心構えや医師としての姿を考えるのに役立ちます。
国公立と私立の偏差値の違い
国公立は、東京大学の文科一類が偏差値80で最難関なのに対し、私立大学では慶応義塾大学や早稲田大学など偏差値80を超える大学・学部が複数あります。
このように、偏差値だけでみると私立大学の方が難易度としては高くみえることがありますが、この原因は国公立大学と私立大学とで受験のシステムが異なる点にあります。
国公立は、試験科目が多く、センター試験と各大学の二次試験の両方を受験するため、5教科7科目を総合的に学習する必要があります。
一方、私立は3~4科目を受験科目にしている傾向があり、その科目を得意とする受験者が集中し偏差値が高くなりやすいです。
一方、私立大学では併願が基本で定員の数倍を合格者数とするのが一般的です。多少偏差値が高いと感じても挑戦する余地はあるでしょう。
ただし、なかには自分よりもレベルが高い滑り止め受験の学生がいます。別の大学を志望している学生は、実際に入学を希望する学生よりもレベルが高く、個別試験は得点の上から順に合格が決定します。
単純に合格者数が多いからといって合格しやすいわけではない点には注意が必要です。
世界の偏差値80以上の大学
偏差値80の大学を志望する人のなかには、世界の大学を検討する人もいるでしょう。
世界の大学には、偏差値という概念があてはめられていないため、さまざまな調査機関から出ている大学のランキングが指標のひとつとして役立ちます。
ここでは、世界的な高等教育機関の調査会社Quacquarelli Symonds(クアクアレリ・シモンズ社)が発表している「QS世界大学ランキング」の情報から上位の大学を5つピックアップして紹介します。
これらトップ5の大学は、偏差値80相当の難関と考えられます。
これらのランキングは、経済学、工学、医学など学問別に教育・研究・産業収入などの実績や学術関係者、雇用者からの評判など複数の指標を用いています。
なお、日本の大学では東京大学が42位、京都大学が65位という結果です。
日本の大学は2019年のランキングで44校が登場していますが、留学生比率や外国人教員比率など国際性に関する分野でランクを落としている傾向があります。
偏差値80を目指して毎日コツコツ勉強しよう!
偏差値80とは、1000人に1人いる程度であり、周囲に比べて相当レベルが高く実際にテストで偏差値80を取るのは簡単ではありません。
国公立に比べて私立の偏差値が高くなりがちなのは受験科目が少ないことと、成績上位者が複数の大学を受験している場合があることが要因にあげられます。