子どもが不登校になってしまったら?(1)不登校児の現状

ご自身のお子様や知人のお子様が「最近、学校に行くのを嫌がる・・・」「なんとなく心配」という状況になってしまった場合に、保護者となるご両親はきっと「どうしたらいいのか?」と悩まれると思います。

このコラムでは、少しでも皆さんの心配が和らぐことを期待して連載していきますのでご自身やお子様の状況に合う内容だけをうまくピックアップして活用していただければと思います。

少しでも、お子様だけでなく保護者となる皆様も気が楽になればと考えています。

もし、今この記事を読んでいるのが「学校に行きたくない」と思っているご本人だった場合には気楽に、「こんな時代なんだな」「こんな方法があるんだな」と知ってもらえればと思います。悩んでいるのは、実は君だけではなく全国に大勢います。そして、その大勢の為に社会は手を差し伸べれればと考えています。誰でもいいです。誰かあなたが信頼できる人に思いを伝えてください。

不登校とは?

 

文部科学省は「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」において■年間30日以上、学校を欠席した児童生徒のうち下記の欠席理由を有するものを「不登校」としています。


【欠席理由】
何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会要因・背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にある者。
ただし、病気や経済的な理由による者を除く。


ただし、文科省の資料には「その他」という項目があります。「その他」には、「病気」「経済的理由」「不登校」のいずれにも該当しない理由により長期欠席したものを計上するとしており「その他」の具体例として下記3つを上げています。

1)保護者の教育に関する考え方・無理解・間関心、家族の介護、家事手伝いなどの家庭の事情から長期欠席している者
2)外国での長期滞在、国内・外への旅行のため、長期欠席している者
3)連絡先が不明なまま長期欠席している者

つまり、不登校よりも状況としては把握がより難しく芳しくないと捉えることが可能だと判断することもできます。
そのような数字を足すと「不登校」として明確になっているこのコラムで紹介する数字よりも児童・生徒を取り巻く環境は過酷な可能性があると見ることもできます。

不登校児の統計数値(小・中学生)

まずは義務教育期間にあたる小・中学生の不登校児のデータを見ていきましょう。
※以下、カッコ内は前年度の数字です。

令和2年(2019年度の集計)発表された文科省のデータでは小・中学校における不登校児童生徒数は181,272人(前年度164,528人)であり、全国の小・中学生に対して不登校児生徒の割合は1.9%(前年度1.7%)となりました。

100人に対して約2名程度です。1学年3クラス(30名)規模の学校で考えると学年に1~2名30日以上学校に来ていない児童・生徒がいるという計算になります。もう少し細かく見ていきましょう。

■小学生の不登校児数 53,350人(44,841人) 占める割合としては全体の 0.8%(0.7%)
■中学生の不登校児数 127,922人(119,687) 占める割合としては全体の 3.9%(3.6%)

こうして見てみると中学生の小学生に比べて中学生になるとグッと数字が上がってしまっていることに気が付きます。

さて、不登校児の数え方としては30日以上の欠席を基準に考えていますがその中でも、90日以上欠席している不登校の子ども達に関してはより深刻な問題を抱えている可能性が高いとして別途数字を出しています。
その人数は不登校児童生徒の全体のうち

■小学生:42.4%(44.7%)
■中学生:61.2%(63.2%)
■全体 :55.6%(58.1%)

と約半数以上を占めていることが報告されています。

不登校児の統計数値(高校生)

高校生は、義務教育ではありませんので学校に行かない・行けない状況になった場合には退学という選択が生まれます。ですから、小中学生の数字とは単純に比較はできません。しかし、折角の受験を乗り越えて入学した高校にも関わらず不登校となってしまっている生徒が多くいることも知ってください。

■高校生の不登校生数:50,100人(52,723人) 占める割合としては全体は1.6%(1.6%)

中学生ほどの数字ではありませんが、決して少ない数字ではありません。

そのうち、90日以上の欠席者は

■9,508人(11.150人)不登校となってしまった生徒のうち19.0%(21.1%)です。
・そのうち、中途退学に至った数:11,210人(13,387)
・そのうち、原級留置となった数:3,491人(3,651)

となっています。

小・中・高校生のいずれにおいても、ごく少数とは言えない数字になっていることはデータから見ても感じることができると思います。

不登校の主たる原因は?

不登校と聞いて、皆さまはどんな原因を思い浮かべるでしょうか?ニュースになりやすいのは「いじめ」問題です。事実、文科省でもいじめ問題に関しては別途調査を行い、少しでも数が減らせるように学校と連携を行い活動しています。

しかし、統計上で不登校の原因を見てみると少し、一般的に大人が考えている要因とは別の状況が見えてきます。

不登校の主たる要因

【小・中学生】
1位 33.8% 「無気力・不安」
2位 15.1% 「いじめを除く友人関係をめぐる問題」
3位 12.1% 「親子の関わり方」

【高校生】
1位 33.8% 「無気力・不安」
2位 15.0% 「生活リズムの乱れ・あそび・非行」
3位 12.1% 「いじめを除く友人関係をめぐる問題」

いかがでしょうか。「無気力・不安」にピンとこない大人も多いのではないでしょうか。実はこの「無気力」や「不安」というのは最終的な結果論であり、そこに至るまでに子ども達の多くは様々なことを我慢してきています。
ところが、保護者の皆さまにしてみれば「理由がわからない」「なぜそんなことで?」という気持ちになってしまうかもしれません。
また、その気持ちのギャップが子ども達との壁になってしまっている可能性があります。

まずは、互いにじっくり話を持つ機会を持ってほしいと思います。
「それができないから困っている」ということも多いと思います。その場合には、第三者に相談をすることをお勧めします。
それは、また後々ご紹介してAIDnetでの活動も参考にしてみてください。
皆さまの地元にも同様の機関もたくさん存在すると思います。

AIDnet cafe : https://www.facebook.com/aidnetcafe/

学校内外の施設や機関で相談・指導の経験有無

上記で紹介したように、不登校に関しては学校や学校外でも支援をしている機関がたくさん存在します。少しでも困ったことがあった場合には是非活用していただきたいところです。

では、どれくらいの不登校児童・生徒がこのような期間を利用しているのでしょうか?

〇学校内外の施設や機関で相談・指導の経験がある児童の割合
学校外:35.8%(34.1%)
学校内:47.4%(48.4%)

以外と多いと感じる方もいるかもしれません。しかし、この数字は複数回答を可能としていますので内外共に相談をしている対象者も多く全く相談を出来ていない生徒もやはりいます。

文科省が発表しているデータでは

〇相談を受けていない生徒数
小学生:13,133人
中学:40,460人

小学生が約5万人以上・中学生が約12万人以上いることを考えると、まだまだ相談に至っていないケースが多いことも見て取れます。

高校生に関しては、

〇学校内外の施設や機関で相談・指導の経験がある生徒の割合
学外:17.4%(16.8%)
学内:42.8%(43.9%)

となっており、より一層深刻なことが見て取れる状況です。

もう1点、このような数字を見たときに保護者の皆さまや本人が気になるのは相談した後どのように変化したのかという事だと思います。
その数字もデータとして発表されています。

〇指導を受けた後に、登校するまたはできるようになった児童生徒の数
小学生:22.8%
中学生:22.8%
つまり、サポートを受けた約5人に1名は学校に再度登校をしているそうです。

相談をするということは、怖いことでも恥ずかしいことでもありません。お子様の将来の為だけでなく、関わるご家族全員の為にも誰かに相談をするということは大切だという事を知ってもらえると嬉しいです。

 

まとめ

今回は、データという観点からまずは保護者の皆様や当事者となる本人がこの数値を知って少しでも「自分だけではない」という事を知ってもらいたいと思い紹介をしました。

「自分だけで」「家族だけで」苦しむ問題ではありません。多くの機関があなたに手を差し伸べていますのでその手を取る勇気を持っていただければ幸いです。

エイドネットスタッフ一同

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