子どもが不登校になってしまったら?(2)不登校の要因

ご自身のお子様や知人のお子様が「最近、学校に行くのを嫌がる・・・」「なんとなく心配」という状況になってしまった場合に、保護者となるご両親はきっと「どうしたらいいのか?」と悩まれると思います。

このコラムでは、少しでも皆さんの心配が和らぐことを期待して連載していきますのでご自身やお子様の状況に合う内容だけをうまくピックアップして活用していただければと思います。

少しでも、お子様だけでなく保護者となる皆様も気が楽になればと考えています。

もし、今この記事を読んでいるのが「学校に行きたくない」と思っているご本人だった場合には気楽に、「こんな時代なんだな」「こんな方法があるんだな」と知ってもらえればと思います。悩んでいるのは、実は君だけではなく全国に大勢います。そして、その大勢の為に社会は手を差し伸べれればと考えています。誰でもいいです。誰かあなたが信頼できる人に思いを伝えてください。

不登校の要因

 

文部科学省は不登校の要因を13項目とその他でアンケートを取って発表しています。


【学校に係る状況】
- いじめ
- いじめを除く友人関係をめぐる問題
- 教職員との関係をめぐる問題
- 学業の不振
- 進路に係る不安
- クラブ活動・部活動への不適応
- 学校の決まり等をめぐる問題
- 入学・転編入学・進級時の不適応
【家庭に係る状況】
- 家庭の生活環境の急激な変化
- 親子の関わり方
- 家庭内の不和
【本人に係る状況】
- 生活リズムの乱れ・あそび・非行
- 無気力・不安


この前のコラムでも紹介しているが実際の小・中・高校生の不登校の主たる要因は以外に感じる人も多いかもしれません。

不登校の主たる要因

【小・中学生】
1位 33.8% 「無気力・不安」
2位 15.1% 「いじめを除く友人関係をめぐる問題」
3位 12.1% 「親子の関わり方」

【高校生】
1位 33.8% 「無気力・不安」
2位 15.0% 「生活リズムの乱れ・あそび・非行」
3位 12.1% 「いじめを除く友人関係をめぐる問題」

いじめの問題は意外にも下位にあたる10位前後に位置しています。

子どもの無気力・不安とは?

子どもの無気力って何?と思う保護者や周りの大人は多いかもしれません。しかし子ども達は彼らの中でもストレスを場合によっては大人以上に感じています。
そんな中で、原因として考えれることに価値観の一極化(学校成績と保護者の目)というのがあります。

– 社会環境の柔軟性のなさが目標とする対象を喪失
– 行動した後の、結果に対し思うような成果が得られにくいことからの自信喪失
– 回りとは違うと感じた自分に対して(他者からも・自分からも)認められない状況からの自信喪失

上記は一例ですが、いずれも成功体験をする前に挫折をして自信喪失していることが考えられます。そして成功体験とは経験値の中で積み上げていくことを考えると大人よりも子ども方が数が少なく折れない心という意味ではずっとずっと子どもの方が繊細なことも分かります。

人間関係をめぐる問題とは?

人間関係の問題は、ひと昔前よりも随分と複雑になっていることは想像がつくのではないでしょうか?ここでは大きな問題は2つ考えられます。

〇SNS等のICTツールの発展による人間関係の複雑化

– 対面での会話とSNS上での文字による会話のギャップは大人でも感じているはずです。人との関係や社会・コミュニティーがまだまだ小さい子どもにとっては逃げ場がない可能性が高くなっていきます。
– 見えない相手とのコミュニケーションの発展
また、SNSの発展により子ども達の社会はある意味では広がりました。全く知らない人達と交流を持つことに恐れを持たないケースも散見されます。
しかし、見えない相手とは遠慮もありません。その中での言葉の無言(無視)の暴力はあまりにも鋭い刃となって子どもを襲っている可能性があります。

〇発達段階はみな個々に異なることからのギャップ
‐ 発達の速度はそれこそ千差万別です。精神年齢という言葉をよく使いますが同じ学年でも幼い子もいれば、大人びた子もいます。
そんな環境の中で、自己認識を深めていきますが他者と比べることが当たり前になっている現代では他者と自分におけるギャップを感じている子どもは沢山います。
‐ 子ども達は、クラスメイトや友達と比べることをしながら自己を確立します。しかし、見逃しがちなのは兄弟姉妹間でのギャップです。家族だからこその互いに遠慮ない態度が互いを傷つけたりしている可能性は高いという事です。

どのように関わっていくのがいい?

様々な環境下で子どもの抱える不安や人間関係は少し捉えることができたかと思います。
では、どのように接していくことがいいのでしょうか?

この答えに残念ながら正解はありません。一人ひとり考えることや感じていることは違うからです。
まずは話を聞いてもらう事からのスタートではありますが、少しでも参考になるようにポイントを紹介したいと思います。

接するときのポイント

【対話】
先にも、書きましたがまずは対話です。
大人は自身の経験則やから、ついつい「きっとこうだろう・・・」という思いから子どもと接してしまいがちです。そして、自身が発した言葉に子どもが否定をしない場合「やっぱりそうだった」と思い込む傾向があります。

しかし、子どもの表現できることを考えてみてください。大人同士のように「違う」とはっきり言えるでしょうか?
そして「違う」と言えたとしてもその「理由」をしっかりと説明できる子どもが一体どれくらいいるのでしょうか?

その理由を一緒に考えるのが保護者の皆さまにお願いしたいことです。ですから、答えを急かさずじっくりと対話を重ねて欲しいと思います。

そんな時に次の項目は意識するといいと思います。
〇勉強以外も含めて、何が楽しい瞬間かを一緒に振り返る
〇普段からどのような人と関わっているのかを知る(よほど危険でない限り知るのみ)
〇ゲームでも何でもいいので子どもが好きなことを知る
〇家族や兄弟姉妹に対する思いを知る

【褒める】
褒めるということは、子ども達の自信喪失の回復へと繋がります。また褒めることの効力はよく言われているので理解されている方が多いと思います。
しかし、正しく褒めるということは以外と難しいものです。なぜか?それは本当に相手のことをよく見ていないと
・褒めるべき時
・褒めるべき所
をうまく見つけることができないからです。

何でも褒めればいいというわけではありません。どんなことを意識すればいいのでしょうか?

〇本人が努力したものに対してその過程を褒める

良くあるのが、褒めたいが為に約束事を決めるという事です。そして、それが出来るように出来るようにと親がサポートをしすぎるパターンです。ここでのポイントは

〇結果を求めすぎている

という意識です。そんなつもりはないかもしれませんが人はついつい褒めるときに結果について褒めがちです。ところが、そこに意識が行き過ぎると

★結果が出ない場合に嫌になる
★何度も繰り返すと失敗がトラウマになる

という結果になりかねません。
失敗を繰り返していいのは、前提として別の事でもいいので自信をもって取り組むことができる何かがあるということです。
それまでは結果ではなく、そこに至った過程やその子の持っている性質について褒めてあげることが大切になってきます。

【第三者に頼ることも必要】
ついつい、家庭内だけで解決しようとする傾向にある問題の一つが「子どもの問題」です。
身近な人に言えない場合には、外部団体に頼ってもいいと思います。
子育ては家庭内だけではなく学校や社会が助けてくれることも忘れないで欲しいです。

まとめ

今回は、少し踏み込んで不登校になる子ども達の要因に触れました。
要因の多くは「心の問題」です。
簡単に解決できることではありませんし、問題解決には随分と時間もかかると思います。じっくりと対話を重ねて要因にアプローチして言って欲しいと思います。

「自分だけで」「家族だけで」苦しむ問題ではありません。多くの機関があなたに手を差し伸べていますのでその手を取る勇気を持っていただければ幸いです。

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